漆芸品について

漆芸品について

漆は、単なる仕上げではありません。

塗りと研ぎを重ねることで、

強度と深い艶を生み出し、

使い込むほどに表情を変えていく素材です。

完成された瞬間で終わらず、

使い手とともに変化し続ける。

漆芸品とは、このような性質を備えたものです。

漆塗りについて

漆塗りは、単純な工程を繰り返しているだけですが、簡単な訳ではありません。

下地を整え、塗りを重ね、乾燥させ、研ぐ。

この工程を繰り返すことで、

塗膜に強度と深い艶が生まれます。

漆は湿度と温度によって硬化するため、

環境の管理も仕上がりを左右します。

一つ一つの工程が積み重なることで、

滑らかで精度の高い塗面が形作られていきます。

蒔絵について

蒔絵は、金属粉を蒔き、漆で固めて研ぎ出すことで文様を表現する技法です。

漆で描いた図案の上に金や銀の粉を蒔き、

塗り重ねて定着させたのち、研ぎ出すことで模様を浮かび上がらせます。

工程の積み重ねによって、

輪郭の精度や表現に奥行きが生まれます。

粉の種類や粒子の違い、蒔き方によって、光の見え方や印象は大きく変化し、用いる技法によっても表情に変化が生まれていきます。

螺鈿について

螺鈿は、貝殻の内側の真珠層を用いて文様を表現する技法です。

貝を薄く加工し、形に切り出したものを、

漆の上に配置して定着させます。

その後、漆を塗り重ねて研ぎ出すことで、

表面を滑らかに整えながら文様を浮かび上がらせます。

貝の種類や厚み、配置によって、

光の見え方や表情は大きく変わります。